静岡県を分断するように流れる大井川。東海道が横切っているものの、江戸時代には川に架かる橋がなかった(作らなかった)ため、増水すると「川留め」とされ、水位が下がるまで待機を余儀なくされました。川留めは何日も続き、「越すに越されぬ大井川」と唄われたりしています。現在の東海道本線「金谷駅」から、この大井川を遡るように敷設されているのが大井川鉄道です。ここは地方私鉄ながらSLの復活運転に力を入れたり、長島ダムの建設に伴う迂回路線として日本唯一のアプト式登山鉄道を開業したりと、話題の多い鉄道となっています。

ということで、こちらは大井川鉄道の千頭(せんず)駅です。大井川鉄道では2014年(平成26年)からアニメ「きかんしゃトーマス」とのタイアップ企画として「きかんしゃトーマス号」が運転されています。千頭駅構内にはトーマスフェアとして「ヒロ」と「パーシー」も登場して、トーマスと共に、雰囲気を演出。それにしても、よくできていますね。

一方、千頭駅のホームでは金谷駅からSL急行「かわね路」号が到着。その横では、オレンジ色の客車が発車を待っています。

そのオレンジ色の客車の前には、水色の車体のSLが。こちらが「きかんしゃトーマス」号。ホーム横の道路には白い幕がかけられ、ホームからも外れているので、前からの撮影は出来ません。

出発時間になりました。蒸気を盛んに上げて、出発進行。

手を振りあいながら、オレンジ色に塗られた旧型客車が続いていきます。子供たちの姿もたくさん見られ、本日の列車は満席。車内にも「きかんしゃトーマス」の装飾が施されており、トーマスの声で沿線の案内なども。

いい思い出になるといいですね。満員御礼状態の大井川鉄道「きかんしゃトーマス」号でした。

一方、こちらはホームに残ったC11 190の蒸気機関車です。折り返しSL「かわね路」号としての準備が進められていました。

★↓写真をクリックすると拡大表示します↓★

千頭駅は行き止まりの頭端式ホームのため、そのままではSLが逆向きになってしまいます。いったん客車をバックで金谷方向へと押し出し、切り離して単機でホームの端へ。

渡り線を使って、となりの線路に脱出。バックで客車の前方へと回送されていきました。

そしてとなりの線路の終端部分に待機していた旧型電気機関車が再び渡り線を使って、こちらのホームへ。そのまま後部で補機としてSLをサポートします。客車の場合、折り返し運転には、こうした機関車の付け替え作業が必須ですが、なかなか見応えがあります。分岐ポイントの操作は手動のためか、テキパキと入れ替えが行われ、非常にスムーズに完了しました。

SLかわね路号の客車は、昔懐かしい旧型客車となっています。まさに国鉄SL時代、そのままの風景。

客車には昭和28年、日本国有鉄道の銘鈑がそのまま残っていました。

SL、C11の運転席はきれいに磨き上げられており、整備の気遣いを感じます。

昭和15年、そしてC11のプレートも、経年を感じさせないほど。

そして車内です。旧型客車はオハ35系やスハ43系などで構成されており、いずれも国鉄時代に全国で活躍した客車です。

その当時のままの車内。冷房などは、もちろんありません。扇風機が回り、窓は全開。4人がけのボックス席や網棚など、昔のまま、時を止めたような感じ。この型の客車が「銀河鉄道999」のモデルになったとも言われています。

そして出発。窓から、直接風が吹き込んできます。ガタンゴトンとレールの継ぎ目を払う音も、大きくよく聞こえ、この雰囲気は窓を開けることのできない現在の電車では絶対に味わえないもの。

鉄橋を渡ります。

大井川を望む車窓。

★↓写真をクリックすると拡大表示します↓★

かわね路号は、満席にはなっていませんでした。空いている席がある場合は、自由に景色の良い座席に移動してOKとの案内が流れていました。

汽笛が聞こえると、トンネルに突入。

うっすらと煙のにおいが車内に漂います。登り坂のきついトンネルでは、煙の量も多く、昔は全員で窓を閉める光景もよく見られました。

 

何度も大きく揺れながら、雄大な大井川に沿ってゆく悠久の旅路。

 

古い時代の鉄道風景が、ここには残っていました。

旧型客車から「きかんしゃトーマス」まで。

様々なSLの姿が楽しい、大井川鉄道の旅でした。

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Comment
いそしず様
こんにちは、SLに乗車できるところも少なくなりましたね。中学生のころ(50年前ぐらい)に広島で乗ったのと、30年ぐらい前に大井川鉄道に乗ったぐらいですね。
昭和28年製の客車は私と同い年です(笑)。
近畿では滋賀県のSL北びわこ号が季節運転されているようです、御乗車されましたか?

ころぼっくる様
こんばんは。お久しぶりです。
SLは最近でこそ、各地で復活運転されていますが、昔の現役時代の活躍は、私には分からない世界です。そういった意味では、現在も運転が続けられているSLは当時の情景が思い浮かべられるようで、貴重で大切な存在ですね。北びわこ号には、乗車したことがありません・・・^^;
大井川鉄道のSLは、(はるか以前ですが・・・)ナショナルトラストとしての支援に参加した思い出があります。今回は断念しましたが、井川線にも乗車したことがあり、懐かしい思い出が蘇る、素敵な旅でした^^





   
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